ロンドンのカップケーキ店で働く

こんにちは!

今日は前回の続きです。2013年にイギリスワーキングホリデービザを取得し、2年間のイギリス生活が始まりました。

費用を抑える為ロンドンより物価が安い地方都市ブリストルに3ヶ月滞在して、語学学校の先生に履歴書の添削をしてもらったりしながら仕事を探しました。

ティールームやカフェを巡っていいなぁと思った所に履歴書を渡してきたり、ネットの求人広告に応募しながら約2ヶ月半が過ぎた頃、ロンドンのカップケーキ店で面接をしてもらえる事になりました。

緊張しながら簡単な面接を終えると、「じゃあ来週トライアルに来て」と日時を指定されました。

イギリスでは面接だけでなく、トライアルと言って1日〜数日実際に働いてみてから採用するか、そこで働くかをお互いに判断するのが一般的です。

日本でのケーキ店での経験が役に立ち、無事トライアルをパスして予定通り3ヶ月の語学学校を終えてロンドンに引っ越しました。

テイクアウト中心のカップケーキ店で、クッキーやカラフルなアイシングをしたホールケーキ等も取り扱っているお店です。

ペイストリースタッフは全部で8人程で出身地も様々。
私がいた時はイギリス、カナダ、アメリカ、モンゴル、タイ、ドイツ出身の人が居ました。
このスタッフが2店舗に分かれてシフト制で働くので1日のスタッフは各店舗2〜3人で販売する商品を作ります。

1日の流れ

仕事は朝7時から始まります。

オーブンのスイッチを入れたらまず紅茶を一杯。
代表1人がそれぞれの好みの入れ方で入れてみんなに配ります。さすが紅茶の国!

濃い目の紅茶で目が覚めたらまず、リーダー(基本的にネイティブスピーカーの人)がその日のオーダーを確認して1日に作るケーキの種類と数を紙に書き出します。
その後リーダーはその日に販売するケーキのアイシングに取りかかり、残りのスタッフは手分けして紙に書いてあるケーキをどんどん作っていきます。

基本的に早い者勝ちで自分が作りたいものを作っていくので工程が面倒な物は残りがち(笑)
このケーキを作るのははあの人が好きだから残しておく等、自然に暗黙の了解が出来る事もありました。

勤務時間は一応1日8時間で時給制なのですが、その日必要な作業が終われば定時前で帰ってもきっちり8時間分のお給料が貰えるので、みんな昼休憩は軽くすましてとにかく早く仕事を終わらせようという感じでした。
もちろん定時で終わらなかった時はしっかり残業代が出ます。

このお店は基本的にカップケーキがメインだったので伝統的なイギリス菓子という訳ではありませんでしたが、アップルクランブルやバノフィー、スティッキートフィープディング等イギリスでお馴染みのお菓子をモチーフにカップケーキにアレンジされていて、若者に人気のお店でした。

スタッフの誕生日にはその人が好きなケーキをベースにしたホールケーキをプレゼントしてくれます。私はバナナケーキとキャラメルアイシングの組み合わせのバノフィーケーキを頂きました。

この可愛いアイシング、常温でも日持ちを良くしたり、固さを出してデコレーションし易くする為に粉糖がどっさり入っています。1回の仕込みで3㎏の紙袋丸ごと使うほどに…
紅茶やブラックコーヒーと一緒にちびちび食べると美味しいのですが、めちゃくちゃ甘いです。

このお店で学んだモダンなイギリス菓子アレンジを取り入れつつ、
wicked bake shopでは出来るだけ粉糖を減らして日本人のお口に合うような
クリーミーなアイシングを使用したカップケーキもご用意しています。
ぜひご利用ください。

また長くなってしまいましたが、次回はレストランでのペイストリーシェフの仕事について書きたいと思いますのでよろしくお願いします。

イギリス菓子と出会うまで

こんにちは!オープンまであと1週間となりました。
オープン日告知以降たくさんの方にホームページを訪れていただき、ありがとうございます。

簡単なプロフィールはaboutに書いてありますが、これから数回に分けて私がイギリス菓子に出会ったきっかけやロンドンで働いていた時の事について書きたいと思います。

初めてのイギリス

私が初めてイギリスに行ったのは2011年でした。
当時、地元のケーキ屋さんで働いていました。
夏季休暇にふと海外旅行へ行こうと思い立ち、本屋さんの旅行本コーナーで行き先探しを始めました。
条件は

  • 5日間で行ける
  • 英語が通じる(中学生レベルでも)
  • 1人でも安全そう

そこで候補に挙がったのがイギリスで、ガイド本コーナーで見つけたのが
「イギリスのお菓子に会いにロンドンへ」(イカロス出版)でした。

それまでイギリスのお菓子といえばスコーンとアフターヌーンティーのイメージしか無かったのですが、本には可愛らしくておいしそうなお菓子がたくさん。
この本を即購入して、イギリス旅行が決定しました。

実際にロンドンへ行ってみて焼きっぱなしのスタイルのケーキがカフェのカウンターに無造作に並べられている感じに驚きました。全体的に地味な色味で素朴な見た目ながら、何ともおしゃれです。
繊細なデコレーションできらきらしたフランス菓子とはまた違った、素朴で温かみのあるイギリス菓子の魅力を感じこういったお店が日本にも増えたらいいのにと思いながら初めてのイギリス旅行から帰国しました。

どこで学ぶか?

帰国後、お菓子はもちろん、イギリスの雰囲気が気に入った私はロンドンで生活してイギリス菓子のことをもっと知りたいと思い何か方法はないかと調べました。
お菓子留学といえばフランスかドイツが主流の中、家庭菓子が基本のイギリス菓子では数日間のレッスンやコースはあるものの幅広く学べるところはなかなか見つかりませんでした。

ならば実際に働くしかないと思い立ち、ワーキングホリデービザを申し込むことにしました。

イギリスワーキングホリデービザは30歳まで申請が可能で2年間の滞在、就労、就学が可能です。他国のワーキングホリデービザに比べて期間も長く、就労時間にも制限がないイギリスは人気が高く年間定員1000名に対して抽選の倍率は10倍近いともいわれています。

年齢的にもチャンスはあと数回、このまま洋菓子屋さんで働くことに限界を感じていたのでこれがだめならお菓子の道は諦めて転職しようと考えながらビザの抽選に申し込みました。

するとラッキーなことに1発当選!これは何かの運命だと思いイギリス菓子の道に進むことを決意しました。

長くなってしまい申し訳ありません。
次回はワーキングホリデーで渡英後~カップケーキ店で働いたことについて書きたいと思いますので興味のある方はお付き合いいただければ嬉しいです。

オープン日決定のお知らせ

こんにちは!

wicked bake shop ウィキッドベイクショップオープン日を決定いたしましたのでお知らせします。

2020年10月3日(土)11:00から営業開始いたします。

週に1度、毎週土曜日11:00〜18:00(売り切れ次第閉店)での店頭販売とさせていただきます。
お持ち帰り販売のみで、店内イートインスペースはございません。

スコーンやビクトリアスポンジなどの定番イギリス菓子と、季節に合わせて不定期に変わるメニューを合わせて10数種類販売する予定です。
メニューの詳細については営業日の前日までにInstagramアカウントでお知らせいたします。

先日プチリハーサルとしてお菓子をショーケースに並べてみました。

こんな感じにずらっとイギリス菓子を並べてお待ちしております。
オープンから10月31日までにお買い上げいただいたお客様にはお菓子によく合う紅茶のティーバッグをプレゼントさせていただきますので是非お越しください。


オンライン販売の方も出来るだけ早く始められる様に準備中ですので、遠方の方はそちらもよろしくお願い致します。

看板とロゴマークのお話

こんにちは!
先日保健所の審査を無事通りまして、菓子製造業の許可をいただくことができました。
これでいつからでも営業できる状態です。
近いうちにオープン日を決定し改めてお知らせさせていただきます。

今日は看板とお店のロゴマークについて書きたいと思います。

ロゴデザイン

開業にあたり、私の少ない貯金では工事費や調理機材の購入で大半が飛んでいくことが分かっていましたのでそのほかの部分はできるだけお金をかけない方法で自分でやってみることにしました。

残念ながら私は絵が下手で自分では描けそうもないのでBrandmark Logo Makerというサイトを使ってみました。
お店の名前とデザインイメージのキーワード、好みのテイストを選ぶだけでおしゃれな感じのロゴが何パターンも表示されます。
そこから好みのデザインを選んで色やアイコンを調整できます。
出来上がったデザインのダウンロードには数千円かかりますが、デザイナーさんに頼むよりも割安で作ることが出来ました。

お店の名前はミュージカル「Wicked」から取ったので魔女のアイコンの中から自分のイメージに一番近いものを選びました。(お店の名前についてはaboutに書いてありますのでよければそちらもご覧ください。)

手作り看板

看板はアイアンプレートのサインボードを購入し、自分でロゴを切り出して貼り付けました。
ホームセンターに売っているカッティングシート(耐水性のシート状のシール)の上にプリントアウトしたロゴをのせて、切り絵用のカッターナイフで線に沿ってカットして出来上がった看板がこちらです!総費用3800円!(お安くできたのを自慢したくなる関西人)

引きで見るとなかなかいい感じ。
ただじっくり見ると曲線がガタついていたりして手作り感満載…

お越しいただいた際は少し離れたところからご覧いただければ幸いです。

完成しました!

こんにちは!

先月20日から始まった自宅改装工事。本日無事に完了しました。

間にお盆休みがあったり、冷蔵庫の入荷時期がずれたりしたので今日までかかりましたが、作業日数でいうと実質20日間程でした。
猛暑の中作業していただいた工務店の皆様ありがとうございました。

外観はこんな感じ

ドアは元からあった物の銀の縁の部分にダイノックシートを貼ってリメイクしてもらいました。
予定ではもっと落ち着いた深緑色にするつもりだったのですが、しっくりくるシートが無く思い切ってこちらの明るい色にしてみました。
可愛らしくなってかなり気に入っています。

厨房はこんな感じ

冷蔵庫はコールドテーブルで冷凍庫と冷蔵庫が半分ずつのタイプにしました。

数日後の保健所の審査に通れば営業許可を頂ける事となります。
着工前に基準を満たしているか確認してもらったので大丈夫なはずですがちょっと緊張します。

ショーケース完成

こんにちは!
お盆休みも明けて、工事も残すところあと少しとなりました。

市販のショーケースとカラーボックスを工務店さんにアレンジしてもらい、
ちょうどいい高さのレジカウンターとショーケースが完成しました!

レジカウンターは、ニトリのカラーボックスを2つ組み合わせてショーケースと同じ材質の木材で覆います。

ショーケースは10センチほど脚を足して底上げし、同じ木材でカバーします。
木材部分をアンティーク風に着色してもらい完成です。

イメージ通りの仕上がりになりとてもうれしいです。
この中に色々なケーキを並べる日が楽しみです。

オーブン到着

こんにちは!

昨日無事オーブンが届き、設置完了しました。

大久保商会のガーネットオーブンです!

こちらはフランス製のオーブンで、一般的な業務用オーブンに比べてコンパクトながら庫内は広めで8取り天板が4枚入るので小さな焼き菓子店や料理教室でよく使われています。
前の職場にもこのオーブンがあり、使い勝手の良さから自分のお店でもこれを使いたいと思いました。

オーブン到着までの紆余曲折

昨年末合羽橋に下見に行ったのですが輸入品のためか年々価格が上がっているようでかなりの予算オーバーでした。

そこで次の候補にしたのがイタリア製SMEGのオーブン。家庭用ですがそこそこの大きさがありお値段も予算内です。
ガーネットのオーブンに未練はありつつも、初めはこのオーブンで頑張っていくことにしました。
工事の準備が整い、いざ注文してみると在庫切れ…新型コロナの影響で入荷時期未定と言われてしまいました。

お店の方に似たようなオーブンを探していただきAEGという会社のオーブンにほぼ決まって支払いをしようとしていたところお店の方からガーネットのオーブンの中古が出たという連絡が!
しかもあまり使っていなくてかなりいい状態の商品でした。
結果、新品の半額以下のお値段で一番欲しかったオーブンを手に入れることが出来ました。

良い道具は手に入りましたので、これを使いこなしておいしいお菓子ができるようにこれから頑張っていきたいと思います。

自宅の一部をお店に改装中③

こんにちは!
ただいま工事12日目です。
ショーケースも無事届きました。
それに合わせて工務店さんに高さ調整やレジカウンターを付け足して頂くので完成したらまた写真を載せたいと思います。

最近は塗装工事中で、家の中にペンキのにおいが、漂っています。
今日は外観の様子を少し公開します!

もとは薄紫色のタイルだったのですが、築20年以上経ち大分くすんでいたので、白に塗り替えることにしました。
ロンドンの地下鉄のイメージです。

下半分はモルタル仕上げになる予定です。

明日はオーブンが届きます。
工事完了まではまだ少しありますが、オーブンは明後日には使えるようになるので試作も始められそうで楽しみです!

自宅の一部をお店に改装中②

こんにちは!
連休をはさんで現在工事4日目です。

厨房への入り口のドア枠ができたり
照明やコンセントの穴をあけたり

着々と進んでおります。
毎日暑い中作業していただいて感謝です!

内装工事計画で一番楽しいパート、カタログから壁紙や床のシート、ドアの色を決める作業も終わりました。
近々ショーケースも到着予定です!


自宅の一部をお店に改装中①

こんにちは!
今週の月曜日から店舗工事に入りました。
これから皆さんに少しでもお店を身近に感じていただきたいので、工事中の様子を公開していきたいと思います。

開業するにあたり賃貸物件も探したのですが、1人でできる範囲の小さなお店にしたかったので家賃と収入のバランスを考えると良い所が見つかりませんでした。
幸いにも自宅に空きスペースがあったので自宅開業という形をとることにしました。

改装前の様子

元々、祖父が自宅1階で害虫駆除の会社をしていたのですが、事務所を移転した後はこんな感じで卓球台やランニングマシンを並べてプチジム状態でした。

とは言え、ランニングマシンを父が時々使う程度だったので運動は外でのウォーキングに切り替えてもらってここの半分を厨房と売り場に改装することにしました。(卓球台置くのは祖母の夢だったらしく、たまにすると楽しいので置いときます。)

着工初日の様子

1日目で壁の枠組みが出来ました。
ここに壁が出来て卓球台スペースと区切られ、写真右側が厨房、左奥が販売スペースとなる予定です。

どんな感じに仕上がるのか今から楽しみです。